関東管領 上杉憲方|鎌倉好きなら知っておきたい山内上杉家の始祖を巡る

関東管領 上杉憲方|鎌倉好きなら知っておきたい山内上杉家の始祖を巡る

2019-08-26

今回は、何故だかよく分からないのですが、心に引っかかった「上杉憲方」という人物について、鎌倉ゆかりの地を巡ってきました。

鎌倉検定でも、ある人物を集中的に掘り下げると、正解を確実に導けたり、間違いに気付いたりといいことありますしね。

上杉憲方(うえすぎのりかた)って?

役職は、室町幕府の関東管領(鎌倉公方の補佐役)。
上司(鎌倉公方)は、2代目の足利氏満

沢山ある上杉氏の中でも、山内上杉氏の始祖とされてる人。
1335年に生まれてるので、1333年の鎌倉幕府が滅びて2年後に生まれてますね。59歳で死去。

とりあえずプロフィールとしてこれくらい覚えておけば大丈夫でしょう!

ややこしい上杉四家

昔の人って、名字の上に自分たちが住んでいる地名を付けたりしてグループ(一族)を作りたがりますよね。
それで兄弟間(一族間)で喧嘩したり。。。

上杉家も4つに分かれました。

山内上杉家 → 山内地区(北鎌倉周辺)に住んでた上杉家一族
扇谷上杉家 → 扇ガ谷周辺に住んでた上杉家一族
宅間上杉家 → 宅間谷(今の報国寺があるところ)に住んでた上杉家一族
犬懸上杉家 → 犬懸谷(今の杉本寺があるところ)に住んでた上杉一族

宅間、犬懸は、今の鎌倉市の住所名に残ってないので、ピンとこないかもしれないですね。
でも、杉本寺の近くに「犬懸橋」っていう名前の橋がありますよ。

宅間に関しては、報国寺の入口に旧地名案内板で書かれていますね。

また、犬懸上杉家については、上杉禅秀が反乱を起こしたりしてます。
鎌倉公方を設置した室町時代は関東管領を踏襲した上杉家の知識なしでは理解できませんね。

なぜ上杉家が関東管領に?

関東管領は、足利一族の鎌倉公方を補佐する大切な役職。かなり信用できる人じゃないと選ばないですよね。

これは、室町幕府の初代将軍「足利尊氏」のお母さんが上杉清子と上杉家の女性なんですよね。
だから、多くの上杉家は足利尊氏のいとこになっちゃうんです。

そんな感じで、歴代の関東管領は上杉家(主に山内・犬懸)が踏襲していくと。
ちなみに、鎌倉公方は足利尊氏の四男「足利基氏」が始まりです。

初代鎌倉公方「足利基氏」の時の、初代関東管領は「上杉憲顕」。上杉憲方のお父さんですね。

長男の義詮は、もちろん室町幕府の将軍です。

とはいえ、足利尊氏は正室の赤橋登子以外にも子供をもうけてるので、だれが本当の長男やら次男やらって感じですけど・・・

上杉謙信も山内上杉氏へ

そして戦国時代、武田信玄のライバル上杉謙信。名字が上杉じゃないですか!

で、調べていくと。
山内上杉氏を継いで、関東管領になって、名前を長尾景虎から上杉謙信に変えたんですよね。

なんと、上杉憲方から上杉謙信まで繋がってしまいました・・・。

上杉家の出どころは?

上杉氏の祖と呼ばれる人に「上杉重房」がいます。生誕も死没も不明ですけど鎌倉時代中期の公家です。
もう、同じ名前ばっかりで覚えられない、どころか把握できない。。。

明月院にこの上杉重房坐像(国の重要文化財)が所蔵されています。(今は鎌倉国宝館に寄託)

この上杉重房が鎌倉に来たのは1252年。
5代執権北条時頼の時に、6代将軍宗尊親王が鎌倉に下向するときに、一緒にお供したらしいのです。

その時に、丹波国何鹿軍上杉庄を頂いて、上杉氏と名乗ったと。
つまり、上杉って京都のとある地名だったんですね。

そして、この方の系譜と遡っていくと、藤原房前(北家)-藤原(中臣)鎌足-天児屋命 と神話の神様になっちゃいます(驚)

伝上杉憲方墓(国指定史跡)

極楽寺と成就院のちょうど真ん中らへんに上杉憲方の墓と言われる290cmもある大きな七層塔があります。横には奥さんの墓も。

何度も通ってたんですけど、まったく気づきませんでしたね。
入口は細くてアパートの横をすり抜けて行くとお墓群です。

最近、説明板も奇麗になって、お墓の周りも鎖で線引きされてます。
鎌倉のいろんなやぐらやお墓もこんな感じにしていったら良いのにと思います。

でも、上杉憲方は山内上杉家で、山内とは遠い極楽寺地区にお墓があるなんて変な感じですけどね。
昔の資料か何かで、上杉憲方の墓が極楽寺にあると伝えられてるらしくて、ここだろうと。

だから「伝」ってついてますねー。

明月院やぐら

場所は変わって北鎌倉の明月院。
北鎌倉はJRの駅の名前で、この周辺の住所は「鎌倉市山ノ内」なので、山内上杉家が住んでた場所ですね。

明月院にある明月院やぐら(市内最大の大きさ!)も上杉憲方の墓だと言われてます。
うむ、こっちのほうがしっくりきますね。

上杉憲方の戒名が、明月院天樹道合。で、明月院の開基(作った人)が上杉憲方。
明月院は、バリバリの上杉憲方ゆかりのお寺です。

でも、明月院に来られる方は紫陽花が目的で、上杉憲方なんてマイナーな人を想って来てる人なんてほとんどいないでしょうね。
ま、一年前の自分もそうでしたけど。。。

明月院は、今でこそ立派なお寺ですけど、昔は禅興寺(今は廃寺)の筆頭支院扱い。
案内板読んでも、成り立ちがややこしすぎます(汗)

明月院はまた別の機会に特集しないといけませんね(笑)
ちなみに拝観料500円。紫陽花や紅葉シーズン以外は9:00開園です。

最近は廃寺になったお寺にも目が行くようになりました。どんどん鎌倉沼にハマっていく感じです。

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